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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
持ってる。こういう女に多少の学問と独立出来る職業を与えたら、虚栄に憧がれる今の女学校出の奥さんよりは遥に勝った立派な女が出来る、」と意気込んで咄した。
この結論に達するまでの理路は極めて井然としていたが、ツマリ泥水稼業のものが素人よりは勝っているというが結論であるから、女の看方について根本の立場を異にする私には一々承服する事が出来なかった。が、議論はともあれ、初めは微酔気味であったのが段々真剣になって低い沈んだ調子でポツリポツリと話すのが淋しい秋の寂寞に浸み入るような気がして、内心承服出来ない言葉の一つ一つをシンミリと味わせられた。
「その女をどうしようッてのだい?」
「どうする意もないが、境遇のため眠ってるヒューマニチーの眼を覚まさせるため、真面目な職業なり学問なりを与えてやりたいのだ」と、女の咄から発して人生論となり、コントのポジティヴィズムに説き及ぼし、蜘蛛が巣を作るように段々と大きな網を広げて、終にはヒューマニチーの大哲学となった。女の写真屋を初めるというのも、一人の女に職業を与えるためというよりは、救世の大本願を抱く大聖が辻説法の道場を建てると同じような重大な意味があった。