轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

01 第一部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,223 字 · 320 页

青空文庫

それから、散らかった薪を拾っては、すでに隅の方に整理されている薪の上に積みはじめた。

「恭さんの学校道具を知りませんかな、次郎ちゃん。」

と、お糸婆さんが、小屋の入口から、せきこんで声をかけた。

「知らんよ。」

と、次郎は、薪を積むのに忙しい、といったふうを装った。

「恭さんは、ちゃんといつもの所に置いたと言いますがな。」

「僕知らんよ。」

「知っとるなら知っとると、早く言って下さらんと、学校が遅うなりますがな。」

「僕知らんよ。」

「ほんとに知らんかな。」

「知らんよ。」

「そんならそれでいいから、とにかく、お母さんとこまでお出でなさいな。」

「やぁだい。」

「でも、お母さんが呼んどりますよ。」

次郎はそう言われるのが一番いやだった。彼は、母の命令に対して正面から背くだけの勇気がまだどうしても出なかっただけに、一層いやだったのである。

彼は、しかし、仕方なしに、しぶしぶお糸婆さんに手を引かれながら、母屋の方に行った。子供部屋では、お民が気違いのように、そこいらじゅうを引っかきまわして、雑嚢を探していた。

そのそばで、恭一は足をはだけて、泣きじゃくっていた。

お民は、次郎の顔を見るなり、例によって高飛車にどなりつけた。