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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
の三文字が金繍の布に黒々と縫い表わされてあるではないか。
「しまった。徐晃勢だけではなかったか」
あわてて引っ返しにかかった時は、彼の率いていた軍容は全く隊伍をみだしていた。あまつさえ、彼が自分の城へ帰って、そこの城門へ向って烈しく、
「はやく開けろ」と、呼ばわると、おうと答えて、門扉を押し開き、どっと突出して来たのは、申耽、申儀の二軍だった。
「反賊、運のつきだぞ」
「こころよく天誅をうけろ」
猛然、迫ってきたものこそ、まさに味方とたのんでいたその二人にまぎれもない。
孟達は仰天して、
「人ちがいするな」と呶鳴ったが、申耽、申儀の二将は、大いにあざ笑って、
「汝こそ、戸まどいして、これに帰って来る愚を醒ませ。あれみろ、城頭高くひるがえっているのは、蜀の旗か、魏の旗か、冥途のみやげによく見てゆけ」と罵った。
その城頭からは、李輔、賢などという魏将が雨あられと、矢を放っていた。
孟達は、きたなくもまた、逃げ奔ったが、申耽に追いつかれて、武将のもっとも恥とする後ろ袈裟の一刀を浴びて叫絶一声、ついに馬蹄の下の鬼と化してしまった。
司馬懿は、降兵を収め、味方をととのえ、一日にして勝ちを制し、一鼓六足、堂々と新城へ入った。