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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁

青空文庫

四

「彼は汝に何を問うたか」

「丞相の起居をしきりにたずねておりました」

「そして」

「お食事の量を聞くと、彼は左右にむかって、よく身神が続くものだと託っておりました」

後、孔明は大いに嘆じた。

「我をよく知ること、敵の仲達にまさる者はいない。彼はわが命数まで量っている」

ときに楊喬という主簿の一員が進み出て、孔明に意見を呈した。

「わたくしは職務上、つねに丞相の簿書(日誌)を見るたびに考えさせられております。およそ人間の精力にも限度があり、家を治めるにも上下の勤めと分があります。――もしわたくしの僭越をお咎めなくお聞きいただけるのでしたら、愚見を申しあげてみたいと思うのでありますが」

「わが為にいうてくれる善言ならば、孔明も童子のような心になって聞くであろう」

「ありがとうございます。――たとえば、一家の営みを見ましても奴婢がおれば、奴は出でて田を耕し、婢は内にあって粟を炊ぐ。――鶏は晨を告げ、犬は盗人の番をし、牛は重きを負い、馬は遠きに行く。みな、その職と分でありましょう。――また家の主は、それらを督して家業を見、租税を怠らず、子弟を教育し、妻はこれを内助して、家の清掃、一家の和、かりそめにも家に瑕瑾なからしめ、良人に後顧のないように致しております。