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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
二
二
王平はつつまず申し立てた。
「――街亭の布陣には、その現地へ臨む前から、篤と丞相のお指図もありましたゆえ、それがしとしては、万遺漏なきことを期したつもりであります。けれど、何分にも、てまえは副将の位置にあり、馬謖は主将たるために、自分の言も聞かれなかったのでありました」
軍法裁判である。王平としては身の大事でもあったから、馬謖を庇っていられなかった。なお忌憚なく述べ立てた。
「初め、現地に赴くと、馬謖は何と思ったか、山上に陣を取るというので、それがしは、極力、その非を主張し、ついに彼の怒りにふれてしまい、やむなくそれがしの軍のみ、山麓の西十里に踏みとどまりました。けれどひとたび魏の勢が雲霞のごとく攻め来ったときは、五千の小勢は、到底、その抗戦に当り得ず、山上の本軍も、水を断たれて、まったく士気を失い、続々、蜀を脱して魏の降人に出る者があとを絶たない有様となりました。……まことに、街亭は全作戦地域の急所でした。一たんここの防ぎが破れだすと、魏延、高翔、その他の援けも、ほとんど、どうすることもできません。――以後の惨澹たる情況はなお諸将よりお訊き願わしゅうぞんじます。