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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
臣、タダ鞠躬尽力、死シテ後已マンノミ。成敗利鈍ニイタリテハ、臣ガ明ノヨク及ブトコロニ非ザル也。謹ンデ表ヲタテマツッテ聖断ヲ仰グ。
建興六年冬十一月
と悲壮極まることばが読まれた。
先頃。
魏はおびただしい軍隊を呉の境に派して、しかも戦い利あらず、のち曹休も歿し、以後、魏の関中にはかつての如き勢いなくまた戦気も見えず、西域の守りも自然脆弱たるをまぬがれまい――と見て孔明が、この再挙の機をとらえて、表を上せてきたものであることは、すでに言外にあふれている。
もとより帝はこれをゆるした。
楊儀は直ちに漢中へ急ぎ帰った。
詔を拝すと、孔明は、
「いざ、征かん」
約半歳余の慎重な再備と軍紀に結集された蜀の士馬三十万を直ちに起して、陳倉道へ向って進発した。
この年、孔明四十八歳。――時は冱寒の真冬、天下に聞ゆる陳倉道(県の東北二十里)の嶮と、四山の峨々は、万丈の白雪につつまれ、眉も息も凍てつき、馬の手綱も氷の棒になるような寒さであった。
三
魏の境界にある常備隊は、漢中のうごきを見るや、大いに愕いて、
「孔明ふたたび侵寇す。蜀の大軍無慮数十万。いそぎ防戦のお手配あれ」