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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
乱軍中、またしても、蜀将張嶷は、魏の王双に追いかけられ、彼が誇るところの重さ六十斤という大刀を頭上に見――あやうく逃げんとした背中へ、たちまち、流星鎚を叩きつけられたのである。
流星鎚というのは、重い鉄丸を鎖につけた一種の分銅なのだった。王双はこれを肌身に数個持っていて、ここぞと思うとき、突然、敵に投げつけるのだった。
王平、廖化は、張嶷の身を救い出して退却したが、張嶷は血を吐いて、生命のほどもどうかと危ぶまれる容態だった。
こうした有様なので、蜀軍はとみに振わず、魏軍は勢いに乗ることいよいよ甚だしい。
前進、前進、王双軍二万の先鋒は、当るものなき勢いで、すでに陳倉城に近づき、のろしを揚げて城中の者へ、
(――援軍着いたぞ)
と、連絡の合図を遂げ、蜀兵を一掃して、城外一帯に布陣を終った。
その態を見るに――
蜿蜒、大小の車を連ね、上に材木を積み、柵を結び、また塹壕をめぐらし、その堅固なこと、比類もない。
これを眺めては孔明も、手を下す術もなかったろう。いわゆる百計窮まるの日を幾日か空しく過ごした。
「丞相、ちとお気をお晴らし遊ばしませ、余りに拘泥するはよくありません」