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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁

青空文庫

――縷々と、陳べてあるほかに、内応の密計が、べつの一葉に、仔細に記してあったのである。

曹真はうごかされた。たとえ孔明までは捕えられないまでも、いま蜀軍を破って、あの姜維を味方に取り戻せば、一石二鳥の戦果である。

「よろしい。よく伝えよ」と、その使いをねぎらい、日を約して帰した。そのあとで彼は費耀を呼んで、姜維の計を示した。

「つまり魏から兵を進めて、蜀軍を攻め、詐り負けて逃げろと、彼はいうのだ。――そのとき姜維が蜀陣の中から火の手をあげるゆえ、それを合図に、攻め返し、挟み撃とうという策略。何と、またなき兵機ではないか」

「さあ。如何なものでしょう」

「なぜそちはよろこばんか」

「でも、孔明は智者です。姜維も隅におけない人物です。恐らくは詐術でしょう」

「そう疑ったら限りがない」

「ともあれ、都督ご自身、おうごきあることは、賛成できません。まず、それがしが一軍を以て試みましょう。もし功ある時は、その功は都督に帰し、咎めある時は、私が責めを負います」

費耀は、五万の兵をうけて、斜谷の道へ進発した。

峡谷で、蜀の哨兵に出会った。その逃げるを追って、なお進むと、やや有力な蜀勢が寄せ返してきた。