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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
「夏侯馬は、魏の金枝玉葉。すぐ隣にありながら、南安の危急を救わなかったとあれば、後に必ず罪に問われましょう。即刻兵を調えて、然るべき援護の策を取るべきでしょう」
ところへ魏軍の裴緒という者が、夏侯楙の使いと称してきた。いうまでもなく、この男は、さきに安定の城主崔諒の所へも訪れていた例の偽使者である。――が、馬遵はそれと知る由もなく、折も折なので早速対面した。
裴緒は、汗に濡れた書簡を出して、ここでも、
「早々、後詰して、孔明の軍を衝き給え」
と、安定城へ催促したのと同じ言葉で申し入れた。
書簡をひらいてみると、これも同文である。だが、夏侯楙の親書にまぎれもなく思われたので、馬遵は拝承して、
「まず、客屋に入って休み給え」
と、使者をねぎらい、重臣に諮っていると、裴緒は翌朝ふたたび城へ来て、
「事急を要する非常の場合に、悠々ご評議で日を送っているようでは心許ない。ありのままを、夏侯楙※(「馬+付」、第4水準2-92-84)馬へご報告申しておくゆえ、後詰あるもなきも、随意になさるがよい。それがしは先を急ぎますから、今朝お暇を申す」と半ば、威嚇的に告げて、立ち去ろうとした。