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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
この事、洛陽に聞えたので、魏帝の心痛もひとかたでない。壇を築いて、
「雨、やめかし」
と、天に祷ったが、そのかいも見えない。
太尉華、城門校尉楊阜、散騎黄門侍郎王粛たちは、初めから出兵に反対の輩だったので、民の声として、
「早々、師を召し還し給え」
と、帝にいさめた。
詔は、陳倉に達した。
その頃、ようやく、雨はあがっていたが、全軍の惨状は形容の辞もないほどである。勅使は哭き、曹真、劉曄も哭いた。
司馬懿は、慙愧して、
「天を恨むよりは、自分の不明を恨むしかありません。この上は、帰路に際して、ふたたびこの兵を損じないようにするしかない」と、やっと水の退いた谷々に、入念に殿軍を配し、主力の退軍もふた手に分けて、一隊が退いてから、次を退くというふうに、あくまで緻密にひきあげた。
孔明は、蜀の主力を、赤坡という所まで出して、この秋ばれに、心地よい報告をうけとっていたが、
「病みつかれ果て、ただ今、魏の全軍が、続々ひきあげて帰ります」
と聞いても、
「追えば必ず仲達の計にあたるであろう。この天災による敗れを、蜀に報復して、面目を立てて帰らんとしている必勝の心ある者へ、われから追うのは愚である。