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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
と、一書を秘めた錦の嚢を彼に託した。
その夕方からまた容態が悪化した。しかし昏絶しては甦ること数度で、幾日となく、同じ死生の彷徨状態が続いた。
五丈原から漢中へ、漢中から成都へと、昼夜のわかちなく駅次ぎの早馬も飛んでいた。
蜀は遠い、待つ身の人々には、いや遠いここちがする。
「勅使のお下りに間に合うかどうか」
人々の願いも今はそれくらいに止まっていた。誰もみな或るものを観念した。
成都からは即刻、尚書僕射李福が下っていた。帝劉禅のおどろきと優渥な勅を帯して夜を日に継いで急いでいるとは聞えていたが、――なおまだここ五丈原にその到着を見なかった。
しかし幸いに、費がなお滞在している。孔明は、われ亡き後は彼に嘱するもの多きを思った。一日、その費※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)を招いて懇ろにたのんだ。
「後主劉禅の君も、はやご成人にはなられたが、遺憾ながら先帝のごときご苦難を知っていられない。故に世をみそなわすこと浅く、民の心を汲むにもうとく在すのはぜひもない。故に、補佐の任たる方々が心を傾けて、君の徳を高うし、社稷を守り固め、以て先帝のご遺徳を常に鑑として政治せられておれば間違いないと思う。