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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
首尾はいずれ後刻お沙汰します」
費※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)は本陣へ帰った。そしてなお悲愁の裡にある諸将を寄せて、
「丞相のおことばに違いなく、魏延は叛気満々で、むしろこの時をよろこんでおるふうだ。この上は、ご遺言どおり姜維を後陣として、われらもまた、制法に従って退陣にかかろうではないか」
と、相談した。
予定のことである。異議なくきまった。そこで極密のうちに諸陣の兵を収め、万端ととのえおわって、翌夜しずかに総引揚げを開始した。
一方の魏延は、首を長くして、費の吉報を待っていたが、いっこう沙汰がないので、
「何としたことだ? あの長袖は」と、その悠長にいらいらしていた。
ふと、馬岱の顔を見たので、彼はその腹蔵のものを、馬岱に打ち明けた。すると馬岱は、
「いや、それは眉唾ですぞ。昨朝彼の帰るとき見ていたが、陣門から馬に飛びのるや否、ひどく大あわてに鞭をあてて行きましたからな」
「そんな挙動が見えたか」
「おそらく詐りでしょう」
ところへ、物見の者から、昨夜来、味方の本軍は総引揚げにかかって、すでに大半は退き、後陣の姜維もはや退軍にかかっていると告げて来たので、魏延はいよいよ慌て出した。