輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
「丹鉛録」
――孔明の墳のある定軍山に雲がおりると今でもきっと撃鼓の声がする。漢中の八陣の遺蹟には、雨がふると、鬨の声が起る。「干宝晋記」
そのほか探せば数限りないほどこの類の口碑伝説はたくさんある。純朴愛すべきものもあるが、中には滑稽でさえあるのもある。「三国志演義」の原著書は、史実と伝説とを、充分に知悉していながら、しかも多分にそういう土語民情の中に伝えられている孔明の姿をも取り容れて、さらにそれを文学的に神仙化しているのである。彼の兵略戦法を語るに、六丁六甲の術を附し、八門遁甲の鬼変を描写している件などはみなそうであるし、わけて天文気象に関わることは、みな中国の陰陽五行と星暦に拠ったものである。
けれど五行観も、宿星学も、これは根深く、黄土大陸の庶民に、久しい間信ぜられていた根本の宇宙観であり、それと結ばれていた人生観でもあったのだから、これを否定しては、「三国志演義」は成り立たないことになる。またかくの如く民衆のあいだに長く読み伝えられてもこなかったにちがいない。――で、私のこの新訳「三国志」も、そういう箇所にかかる度、すくなからず苦労が伴った。