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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
姜維は筆墨を乞い、即座に、二通の書簡をしたためた。
彼の知る尹賞と梁緒へ宛てたものである。姜維はそれを矢にくくって、天水城のうちへ射込んだ。
城兵が拾って、馬遵に見せた。馬遵は文意を見ると、驚きあわてて、それを夏侯楙馬に示し、
「この通り、城内の尹賞、梁緒も姜維と通謀しています。どう処置いたしましょう」
「それは一大事だ。事の未然に知れたのは幸いだ。二人を刺し殺してしまえ」
すぐ使いを向けて、まず尹賞を招いたが、尹賞に誼みのある者が、その前に彼の邸へ走ってこのことを告げた。
尹賞は仰天して、すぐ友の梁緒を訪い、
「犬死をするよりは、いっそ城を開いて、蜀軍を呼び入れ、孔明に随身しようではないか」
と、誘った。
すでに馬遵の命をうけた軍士が、邸を包囲し始めたので、二人は裏門から逃げ出して、城門へ駈け出した。
そして内から門を開き、旗を振って、蜀軍を招いた。待ちかまえていた孔明は一令の下に、精鋭をくり込ませた。
夏侯楙と馬遵は、施す策もなく、わずか百余騎をひきいて、北門から逃げ出し、ついに胡の国境まで落ちて行った。
上※の守将は、梁緒の弟梁虔なので、これはやがて、兄に説伏されて、軍門へ降ってきた。