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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
雅丹宰相、越吉元帥は、二十五万の壮丁を集合して、やがて東方の低陸へ向って進み出した。
西の高原を下るや、黄河、揚子江の上流をなす清流が山と山の間をうねり流れている。黄河の水も揚子江の水も、大陸へ流れ出ると、真黄色に濁っているが、このあたりではそう濁りもない清澄な谷川であった。
平和に倦んでいた高原の猛兵は、孔明の名を聞いても、どれほどな者か知らなかったし、その武器は、夷には似ず精鋭だったので、ほとんどすでに蜀軍を呑んでいるような気概でそれへ臨んでゆくのであった。
欧州、土耳古、埃及、などの西洋との交流が頻繁で、その文化的影響を、中国大陸よりも逆に早くうけていたこの族軍は、すでに鉄で外套した戦車や火砲を持ち、またアラビヤ血種の良い馬を備え、弓弩槍刀もすべて優れていたといわれている。
軍中の荷駄には駱駝を用い、またその上に長槍をひっさげてゆく駱駝隊もあった。駱駝の首や鞍には、沢山な鈴をさげ、その無数の鈴の音と、鉄戦車の轍の音は、高原兵の血をいやが上にも昂ぶらせた。かくてこの大軍が、やがて蜀境の西平関(甘粛省)へ近づいていた頃、寝耳に水、いま祁山と渭水のあいだに在る孔明の所へ、