輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁

青空文庫

「怯んだとみえる。この上はわれから攻め下って、微塵になせ」

何しても馬謖は功に逸りきっていた。小道小道から逆落しに駈け下り、彼自身は、魏の大将の首二つを獲て山上へもどった。多数の味方は序戦に勝ったが、帰路は精を限らし、また山道を登るので、追撃の新手におびただしく討たれた。

しかも馬謖は、

「きょうの戦は勝っている」

と、目前の勝負にとらわれていたが、たちまちその夜から水に窮した。

「なに、水の手を断たれた?」

愕然、気づいたときは、時すでに遅く、以来、奪回をはかる度に、ほとんど算なきまでの損害をくり返した。日を経るに従って、山上の軍馬は渇に苦しみ出した。炊ぐに水もない有様で兵糧すら生か火食のほかなく、意地わるく待てど待てど雨もふらない。そのうちに、

「水を汲みにゆく」と称しては、暗夜、山を降りてゆく兵は、みな帰らなかった。討たれたのかと思うと、続々、魏へ投降したものとわかった。

ついには、大量の兵が一団となって、魏へ降り、山上の困憊は司馬懿の知るところとなった。

「時分はよし。かかれ」

魏は総攻撃を開始した。

「のがれぬところ」

と、馬謖もいまは覚悟して、西南の一路からどっと下りた。