Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Read 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 508,883 characters · 1017 screens

Aozora Bunko

そうおふくろに邪推されちゃ情けなくなる」

ふとお杉は、不愍を増して、

「又八、機嫌なおせ、今のは、ばばの冗談じゃ。汝れの心が定まって、元のような極道もせぬことは、ようこの老母も見ているわいの。――したがさて、武蔵と吉岡の衆との果し合いが明日の夜明けとは急なことじゃな」

「寅の下刻というから、夜明けもまだ薄暗いうちだなあ」

「おぬし、吉岡の門人衆のうちに、知っている者があるといったの」

「ないこともないが……そうかといって、あまりいいことで知られているわけでもねえからなあ、なにか、用かい」

「わしを伴れて、その吉岡の四条道場とやらへ案内してほしい。――直ぐにじゃ、汝れも支度したがよい」

二

年寄りのせっかちというものはひどく勝手である。悠々閑と、今まで昼寝していた自分のことは棚へあげ、

「又八、早うせんか」

と、人の落ちつきに、眉をしかめて、当って来る。

又八は、身支度もせず、けろりとして、

「なんだい慌てて、軒に火でもついたように、――第一、吉岡道場へ行って、いったいどうするつもりなのだ、おふくろの量見は」

「知れたこと、母子して、お願いしてみるのじゃわ」

「なにを……」