Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
就ては江戸に留学して居る学生、小幡篤次郎を始め十人も居ました、ソレを出兵の御用だから帰れと云て呼還しに来たその時にも、私は不承知だ。この若い者が戦争に出るとは誠に危ない話で、流丸に中ても死んで仕舞わなければならぬ、こんな分らない戦争に鉄砲を担がせると云うならば、領分中の百姓に担がせても同じ事だ、この大事な留学生に帰て鉄砲を担げなんて、ソンな不似合な事をするには及ばぬ、仮令い弾丸に中らないでも、足に踏抜きしても損だ、構うことはない病気と云て断て仕舞え、一人も還さない、ソレが罷り間違えば藩から放逐丈けの話だ、長州征伐と云う事の理非曲直はどうでも宜しい、兎に角に学者書生の関係すべき事でないから決して帰らせないと頑張た所が、藩の方でも因循であったのか、強いて呼返すと云うこともせずに、その罪は中津に居る父兄の身に降り来て、その方共の子弟が命に背いて帰藩せぬのは平生の教訓宜しからざるに由る云々の文句で、何でも五十日か六十日の閉門を申付けられたことがある。凡そ私の心事はこんな風で、藩に仕えて藩政を如何しようとも思わず、立身出世して威張ろうとも思わず、世間で云う功名心は腹の底から洗たように何にもなかった。