Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
暗殺の心配
この通りで慶應義塾の成立は、教師の人々がこの塾を自分のものと思うて勉強したからの事です。決して私一人の力に叶う事ではない。人間万事余り世話をせずに放任主義の方が宜いかと思われます。その後時勢も次第に進歩するに従い、塾の維持金を集め、又大学部の為めにも募り、近来は又重ねて募集金を始めましたが、是れも私は余り深く関係せず、一切の事を塾出身の若い人に任せて居ます。
暗殺の心配
是れまで御話し申した通り、私の言行は有心故造態と敵を求める訳けでは固よりないが、鎖国風の日本に居て一際目立つ様に開国文明論を主張すれば、自然に敵の出来るのも仕方がない。その敵も口で彼是喧しく云うて罵詈する位は何でもないが、唯怖くて堪らぬのは襲撃暗殺の一事です。是れから少しその事を述べましょうが、凡そ世の中に我身に取て好かない、不愉快な、気味の悪い、恐ろしいものは、暗殺が第一番である。この味は狙われた者より外に分るまいと思う。実に何とも口にも言われず筆にも書かれません。是れが病気を煩うとか、痛所があるとか何とか云えば、家内に相談し朋友に謀ると云う様なこともあるが、暗殺ばかりは家内の者へ云えば当人よりは却て家の者が心配しましょう、心配して呉れてソレが何にも役に立たぬ、ダカラ私はそんな事を家内の者に云た事もなければ親友に告げた事もない。