Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
外交機密を写取る
「そうだ、実に分らない事だ。兎にも角にも一切彼の男の相手になるな。下手な事を云うとどんな間違いになるか知れぬから、暫く別ものにして置くが宜いと、箕作と私と二人云合して、夫れから外の朋友にも、村田は変だ、滅多な事を云うな、何をするか知れないからと気を付けた。是れがその時の実事談で、今でも不審が晴れぬ。当時村田は自身防禦の為めに攘夷の仮面を冠て居たのか、又は長州に行て、どうせ毒を舐めれば皿までと云うような訳けで、本当に攘夷主義になったのか分りませぬが、何しろ私を始め箕作秋坪その外の者は、一時彼に驚かされてその儘ソーッと棄置たことがあります。
外交機密を写取る文久三年癸亥の歳は一番喧しい歳で、日本では攘夷をすると云い、又英の軍艦は生麦一件に就て大造な償金を申出して幕府に迫ると云う、外交の難局と云うたらば、恐ろしい怖い事であった。その時に私は幕府の外務省の飜訳局に居たから、その外国との往復書翰は皆見て悉く知て居る。即ち英仏その他の国々から斯う云う書翰が来た、ソレに対して幕府から斯う返辞を遣た。又此方から斯う云う事を諸外国の公使に掛合付けると、彼方から斯う返答して来たと云う次第、即ち外交秘密が明に分て居なければならぬ筈。