Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
築城書を盗写す
余り馬鹿々々しい、十八文ばかり有ても無くても同じことだと思うて売らなかったのが、その後四十何年無事で、今は筆洗になって居るのも可笑しい。
築城書を盗写す夫れは夫れとして、私が今度不幸で中津に帰て居るその間に一つ仕事をしました、と云うのはその時に奥平壹岐と云う人が長崎から帰て居たから、勿論私は御機嫌伺に出なければならぬ。或日奥平の屋敷に推参して久々の面会、四方山の話の序に、主人公が一冊の原書を出して、「この本は乃公が長崎から持て来た和蘭新版の築城書であると云うその書を見た所が、勿論私などは大阪に居ても緒方の塾は医学塾であるから、医書、窮理書の外に遂ぞそんな原書を見たことはないから、随分珍書だと先ず私は感心しなければならぬ、と云うのはその時は丁度ペルリ渡来の当分で、日本国中、海防軍備の話が中々喧しいその最中に、この築城書を見せられたから誠に珍しく感じて、その原書が読で見たくて堪らない。けれども是れは貸せと云た所が貸す気遣はない。夫れからマア色々話をする中に、主人が「この原書は安く買うた。二十三両で買えたから」なんと云うたのには、実に貧書生の胆を潰すばかり。