Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
ワシントンの子孫如何と問う
申さば石油の箱見たような物とか、色々な缶詰の空などが沢山棄てゝある。是れは不思議だ。江戸に火事があると焼跡に釘拾いがウヤ/\出て居る。所で亜米利加に行て見ると、鉄は丸で塵埃同様に棄てゝあるので、どうも不思議だと思うたことがある。
夫れから物価の高いにも驚いた。牡蠣を一罎買うと、半弗、幾つあるかと思うと二十粒か三十粒位しかない。日本では二十四文か三十文と云うその牡蠣が、亜米利加では一分二朱もする勘定で、恐ろしい物の高い所だ、呆れた話だと思たような次第で、社会上、政治上、経済上の事は一向分らなかった。
ワシントンの子孫如何と問う所で私が不図胸に浮かんで或人に聞て見たのは外でない、今華盛頓の子孫は如何なって居るかと尋ねた所が、その人の云うに、華盛頓の子孫には女がある筈だ、今如何して居るか知らないが、何でも誰かの内室になって居る容子だと如何にも冷淡な答で、何とも思て居らぬ。是れは不思議だ。勿論私も亜米利加は共和国、大統領は四年交代と云うことは百も承知のことながら、華盛頓の子孫と云えば大変な者に違いないと思うたのは、此方の脳中には源頼朝、徳川家康と云うような考があって、ソレから割出して聞た所が、今の通りの答に驚いて、是れは不思議と思うたことは今でも能く覚えて居る。