Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
不在中桜田の事変
たのである。この写真を見せた所が、船中の若い士官達は大に驚いたけれども、口惜しくも出来なかろう、と云うのは桑港でこの事を云出すと直に真似をする者があるから黙て隠して置て、いよ/\布哇を雛れてもう亜米利加にも何処にも縁のないと云う時に見せて遣て、一時の戯に人を冷かしたことがある。
不在中桜田の事変帰る時は南の方を通たと思う。行くときとは違て至極海上は穏かで、何でもその歳には閏があって、閏を罩めて五月五日の午前に浦賀に着した。浦賀には是非錨を卸すと云うのがお極りで、浦賀に着するや否や、船中数十日のその間は勿論湯に這入ると云うことの出来る訳けもない、口嗽をする水がヤット出来ると云う位な事で、身体は汚れて居るし、髪はクシャ/\になって居る、何は扨置き一番先に月代をして夫れから風呂に這入ろうと思うて、小舟に乗て陸に着くと、木村のお迎が数十日前から浦賀に詰掛けて居て、木村の家来に島安太郎と云う用人がある、ソレが海岸まで迎いに来て、私が一番先に陸に上てその島に遇うた。正月の初に亜米利加に出帆して浦賀に着くまでと云うものは風の便りもない、郵便もなければ船の交通と云うものもない。