Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
塾生の勉強
一体塾生の乱暴と云うものは是れまで申した通りであるが、その塾生同士相互の間柄と云うものは至て仲の宜いもので、決して争などをしたことはない。勿論議論はする、いろ/\の事に就て互に論じ合うと云うことはあっても、決して喧嘩をするような事は絶てない事で、殊に私は性質として朋友と本気になって争うたことはない。仮令い議論をすればとて面白い議論のみをして、例えば赤穂義士の問題が出て、義士は果して義士なるか不義士なるかと議論が始まる。スルト私はどちらでも宜しい、義不義、口の先きで自由自在、君が義士と云えば僕は不義士にする、君が不義士と云えば僕は義士にして見せよう、サア来い、幾度来ても苦くないと云て、敵に為り味方に為り、散々論じて勝たり負けたりするのが面白いと云う位な、毒のない議論は毎度大声で遣て居たが、本当に顔を赧らめて如何あっても是非を分って了わなければならぬと云う実の入た議論をしたことは決してない。
塾生の勉強凡そ斯う云う風で、外に出ても亦内に居ても、乱暴もすれば議論もする。ソレ故一寸と一目見た所では――今までの話だけを開た所では、如何にも学問どころの事ではなく唯ワイ/\して居たのかと人が思うでありましょうが、其処の一段に至ては決して爾うでない。