Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
四十両の借金家財を売る
どんな事があっても私は中津で朽果てようとは思いません。アナタはお淋しいだろうけれども、何卒私を手放して下さらぬか。私の産れたときにお父ッさんは坊主にすると仰しゃったそうですから、私は今から寺の小僧になったと諦めて下さい」。その時私が出れば、母と死んだ兄の娘、産れて三つになる女の子と五十有余の老母と唯の二人で、淋しい心細いに違いないけれども、とっくり話して、「どうぞ二人で留主をして下さい、私は大阪に行くから」と云たら、母も中々思切りの宜い性質で、「ウム宜しい。「アナタさえ左様云て下されば、誰が何と云ても怖いことはない。「オーそうとも。兄が死んだけれども、死んだものは仕方がない。お前も亦余所に出て死ぬかも知れぬが、死生の事は一切言うことなし。何処へでも出て行きなさい」。ソコデ母子の間と云うものはちゃんと魂胆が出来て仕舞て、ソレカラ愈よ出ようと云うことになる。
四十両の借金家財を売る出るには金の始末をしなければならぬ。その金の始末と云うのは、兄の病気や勤番中の其れ是れの入費、凡そ四十両借金がある。この四十両と云うものは、その時代に私などの家に取ては途方心ない大借。