Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
事変の当日、約束の金を渡す
ドウも三朱と云う金を出してこの駕籠に乗るは無益だ、此方は足がある。ソレは乗らぬことにして、その少し先きに下駄屋が見えるから、下駄屋へ寄て下駄一足に傘一本買て両方で二朱余り、三朱出ない。夫れから雪駄を懐に入れて、下駄を穿て傘をさして鉄砲洲まで帰て来た。デその途中私は独り首肯き、この下駄と傘が又役に立つ、駕籠に乗たって何も後に残るものはない、こんな処が慎むべきことだと思たことがあります、マアその位に注意して居たから、外は推して知るべし、一切無駄な金を使たことがない。紙入に金を入れて置く、ソレは二分か三分か入れてある、入れてあるけれども何時まで経てもその金のなくなったことがない。酒は固より好きだから朋友と酒を飲みに行くことはある、ソンな時には金も入りますが、唯独りでブラリと料理茶屋に這入て酒を飲むなぞと云うことは仮初にもしたことがない。ソレ程に私が金を大事にするから、又同時に人の金も決して貪らない。ソリャ以前奥平家に対して朝鮮人を気取たのは別な話にして、その外と云うのは決して金は貪らないと、自身独立、自力自活と覚悟を極めました。
事変の当日、約束の金を渡すソコで以て慶応三年、即ち王政維新の前年の冬、芝新銭座に有馬家(大名)の中屋敷が四百坪ばかりあるその屋敷を私が買いました。