Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
三百何十通の手紙
この子は何年何月何日何分に産れ、産の難易は云々、幼少の時の健康は斯く/\、気質の強弱、生付きの癖など、ザッと荒増し記してあれば、幼少の時の写真を見ると同様、この書たものを見れば成長の後、第一面白いに違いない、自から又心得になる事もありましょう。私などは不幸にして実父の面も知らず、画像に写したものもなし、又私がドンな子供であったか母に聞たばかりで書たものはない。少年の時から長老の人がソンな話をすると耳を傾けて聞て、唯残念にばかり思うて、独り身の不幸を悲んで居たから、今度は私の番になってこの通りに自分の伝を記して子供の為めにし、又先年小供の生立の事をも認めて置たから先ず遺憾はない積りです。
三百何十通の手紙又親子の間は愛情一偏で、何ほど年を取ても互に理窟らしい議論は無用の沙汰である。是れは私も妻も全く同説で、親子の間を成る丈け離れぬようにする計り。例えば先年、長男次男が六年の間亜米利加に行て居ましたその時には、亜米利加の郵船が一週間に大抵一度、時としては二週間に一度と云う位の往復でしたが、小供両人の在米中、私は何か要用のときは勿論、仮令い用事がなくても毎便必ず手紙を遣らない事はない。