Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
金を預けるも面倒なり
を借用せずに世の中を渡ると云うことが出来るものか、ソンな人が何処に在るかと云て私を冷却するから、私はその時始めてヒョイと思付た。今御話を聞けば、世の中に借金しない者が何処に在るかと云うが、その人は今こゝに居ます。私は是れまで只の一度も人の金を借りたことがない。「そんな馬鹿な事を云いなさるな。「イヤ如何してもない。生れて五十年(是れは十四、五年前の話)人の金を一銭でも借りたことはない。ソレが嘘ならば、試に私の印形の据て居るものとは云わない、反古でも何でも宜しい、ソレを捜して持て来て御覧。私が百万円で買おう。ドウしたってありはしない。日本国中に福澤の書た借用証文と云うものはソレこそ有る気遣いはないが如何だ、と云うような訳けで、その時に私も始めて思い出したが、私は生れてこの方遂ぞ金を借りたことがない。是れはマア私の眼から見れば尋常一様の事と思うけれども、世間の人が見たらば甚だ尋常一様でないのかも知れぬ。
金を預けるも面倒なりソレで私は今でも多少の財産を持て居る、持て居たけれども私ところの会計と云うものは至極簡単で、少しも入込んだことはない。この金を誰に返えさなければならぬ、之を此方に振向けなければならぬと云うような事は絶えてない。