Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
に関係したことでない、自分一身の利害を下らなく人に語るのは独語を言うようなもので、こんな馬鹿気た事はない、私の流儀にすれば金がなければ使わない、有ても無駄に使わない、多く使うも、少なく使うも、一切世間の人のお世話に相成らぬ、使いたくなければ使わぬ、使いたければ使う、嘗て人に相談しようとも思わなければ、人に喙を容れさせようとも思わぬ、貧富苦楽、共に独立独歩、ドンな事があっても、一寸でも困たなんて泣言を云わずに何時も悠々として居るから、凡俗世界ではその様子を見て、コリャ何でも金持だと測量する人もありましょう。所が私は又その測量者があろうとなかろうと、その推測が中ろうと中るまいと、少しも頓着なしに相替らず悠々として居ます。既に先年、所得税法の始めて発布せられた時などは可笑しい、区内の所得税掛りとか何とか云う人が、私の家には財産が凡そ七十万円あるその割合で税を取ると、内々云て来た者があるから、私がその者に云うに、何卒その言葉を忘れて呉れるな、見て居る前で福澤の一家残らず裸体になって出て行くから、七十万で買て貰いたい、財産は帳面のまゝ渡して、家も倉も衣服も諸道具も鍋も釜も皆遣るから、ソックリ買取て七十万円の金に易えたい、唯漠然たる評価は迷惑だ、現金で売買したい、爾うなれば生来始めての大儲けで、生涯さぞ安楽であろう