Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
欺て河豚を喰わせる
料理茶屋の物を盗む
になって腹を立てゝ居たが、私共は如何も怖かった。若しも短気な男なら切付けて来たかも知れないから。
欺て河豚を喰わせる夫れから又一度遣た後で怖いと思たのは人をだまして河豚を喰わせた事だ。私は大阪に居るとき颯々と河豚も喰えば河豚の肝も喰て居た。或る時、芸州仁方から来て居た書生、三刀元寛と云う男に、鯛の味噌漬を貰て来たが喰わぬかと云うと、「有難い、成程宜い味がすると、悦んで喰て仕舞て二時間ばかり経てから、「イヤ可愛そうに、今喰たのは鯛でも何でもない、中津屋敷で貰た河豚の味噌漬だ。食物の消化時間は大抵知てるだろう、今吐剤を飲でも無益だ。河豚の毒が嘔かれるなら嘔て見ろと云たら、三刀も医者の事だから能く分て居る。サア気を揉で私に武者振付くように腹を立てたが、私も後になって余り洒落に念が入過ぎたと思て心配した。随分間違の生じ易い話だから。
料理茶屋の物を盗む前に云う通り御霊の植木見世で万引と疑われたが、疑われる筈だ、緒方の書生は本当に万引をして居たその万引と云うは、呉服店で反物なんど云う念の入た事ではない、料理茶屋で飲だ帰りに猪口だの小皿だの色々手ごろな品を窃と盗んで来るような万引である。