Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

う。

そう思い立つと、お角さんとして愚図愚図することはできないから、もう明朝にも上方へ向けて出かけようじゃないか、それには自分たちの方は、あと言えばさだが、お銀様へ御都合を伺っておかなければならぬと、お角さんはともをつれて、本町の近江屋という宿へお銀様を訪れたのはその晩です。

「お嬢様、明日あたり、名古屋をお立ちになりませんか」

「明日」

「はい、もう名古屋も大抵おわかりのことと思いますから」

「明日はいけません」

「お都合がお悪うございますか」

「別に都合が悪いというわけでもありませんが、明日は見物するものがあります」

「おや、まだ御城下にお見残しがおありになりますか」

「城下の見物じゃありません、明日は約束があって、ほかに見に行かなければならないものがあります」

お角さんは腹の中で、ちぇッと言いました。何の約束か知れないが、大抵の約束なんぞは蹴飛ばして、わたしたちが出かけると言ったら、一緒に出かける気になってくれたらよかりそうなものだ、お角さんの気性として、出かけるときまってからグズグズしているのは、焦れったくてたまらない。

「お約束でございますか、犬山から木曾川の方へでもいらっしゃるんでございますか」