Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
二
……おそらくそんなこと位に違いない……
と、そのとき、
「久保田!」
不意にそう呼ばれた奴である。――はっとしたって間に合わない……
二
が、優秀な成績をもった生徒は、感心な勉強家は、おくめんなくすぐ立上った。
「つぎを読みなさい。」
香取先生は敢然といった。
「…………」
勿論、わたしは、無言に立ちすくんだ。――読めといわれたってどこを読んでいいのか分らないのである。――わたしの持って立った本の、すくなくもいままでわたしのあけていた部分には、ことさらそんな読まなくッちゃァならない文章なんぞ存在しないのである。
わたしはわたしのうえに教室中の眼を感じた。――わたしはカッカした……
「出来ません。」
潔くわたしはいった。
「出来ない?」
それは、だが、香取先生にとって意外な返事らしかった。
「……出来ません。」
もう一度わたしは……だが、今度は、まえほど決していさぎよくなくいった。
「…………」
急にあたりのしんとしたのをわたしは感じた。――と、そのとき――そのときである……
「勉強せい!」
……わたしはすくみ上った。
というのが、これ、そこにいるのは始終一しょにいる仲間ばかりでないのである。