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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふくおうじでん

福翁自伝

福沢 諭吉

Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme

Aozora Bunko

血を恐れる

此方は固より密売しようではなし、国の秘密を洩らす気遣いもないが、妙な役人が附て来れば只蒼蠅い。蒼蠅いのはマダ宜いが、その下役が何か外に差支があると、私共も出ることが出来ない。ソレは甚だ不自由でした。私はその時に==是れはマア何の事はない、日本の鎖国をそのまゝ担いで来て、欧羅巴各国を巡回するようなものだと云て、三人で笑たことがあります。

血を恐れるソレでも私共は見ようと思うものは見、聞こうと思う事は聞たが、序ながらこの見聞のことに就て私の身の恥を云わねばならぬ。私は少年の時から至極元気の宜い男で、時として大言壮語したことも多いが、天禀気の弱い性質で、殺生が嫌い、人の血を見ることが大嫌い。例えば緒方の塾に居るときは刺流行の時代で、同窓生は勿論私も腕の脈に針をして血を取たことがある。所が私は自分でも他人でもその血の出るのを見て心持が善くないから、刺※(「月+各」、第3水準1-90-45)と云えばチャント眼を閉じて見ないようにして居る。腫物が出来ても針をすることは先ず見合せたいと云い、一寸とした怪我でも血が出ると顔色が青くなる。毎度都会の地にある行倒、首縊、変死人などは何としても見ることが出来ない。