Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
その著訳の一条に就ては今コヽで別段に云う事はない、私の今年開版した福澤全集の緒言に詳に書てあるから是れは見合せるとして、その著訳事業中、即ち攘夷論全盛の時代に、洋学生徒の数は次第々々に殖えるからその教授法に力を尽し、又家の活計は幕府に雇われて扶持米を貰うてソレで結構暮らせるから、世間の事には頓と頓着せず、怖い半分、面白い半分に歳月を送て居る。或時可笑い事があった。私が新銭座に一寸住居の時(新銭座塾に非ず)、誰方か知らないが御目に掛りたいと云てお侍が参りましたと下女が取次するから、「ドンナ人だと聞くと、「大きな人で、眼が片眼で、長い刀を挟して居ますと云うから、コリャ物騒な奴だ、名は何と云う。「名はお尋ね申したが、お目に掛れば分ると云て被仰しゃいません==どうも気味の悪い奴だと思て、夫れから私は窃と覗いて見ると、何でもない、筑前の医学生で原田水山、緒方の塾に一緒に居た親友だ。思わず罵た。この馬鹿野郎、貴様は何だ、何ぜ名を云て呉れんか、乃公は怖くて堪らなかったと云て、奥に通して色々世間話をして、共々に大笑した事がある。爾う云う世の中で洋学者もつまらぬ事に驚かされて居ました。