Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
小笠原壱岐守
鹿児島湾の戦争
持つが宜かろうと云うので、その金を四つか五つに分けて、頭割にして銘々ソレを腰に巻て行こうと、用意金の分配まで出来て、明日か明後日は愈よ戦争の始まり、外に道はないと覚悟した所が、茲に幸な事があると云うのは、その時に唐津の殿様で小笠原壹岐守と云う閣老がある。夫れから横浜に浅野備前守と云う奉行がある。
小笠原壱岐守ソレ等の人が極秘密に云合せた事と見えて、五月の初旬、十日前後と思いますが、愈よ今日と云う日に、前日まで大病だと云て寝て居た小笠原壹岐守がヒョイとその朝起きて、日本の軍艦に乗て品川沖を出て行く。スルト英吉利の砲艦が壹岐守の船の尻に尾いて走ると云うのは、壹岐守は上方に行くと云て品川湾を出発したから、若し本当にその方針を取て本牧の鼻を廻れば英人は後から砲撃する筈であったと云う。所が壹岐守は本牧を廻らずに横浜の方へ這入て、自分の独断で即刻に償金を払うて仕舞た。十万磅を時の相場にすればメキシコ弗で四十万になるその正銀を、英公使セント・ジョン・ニールに渡して先ず一段落を終りました。
鹿児島湾の戦争幕府に要求した十万磅の償金は五月十日に片付て、夫れから今度はその英軍艦が鹿児島に行て、被害者遺族の手当として二万五千磅を要求し、且つその罪人を英国人の見て居る所で死刑に処せよと云う掛合の為めに、六艘の軍艦は鹿児島湾に廻て錨