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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふくおうじでん

福翁自伝

福沢 諭吉

Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme

Aozora Bunko

脇屋卯三郎の切腹

勿論その外交秘密の書翰を宅に持て帰ることは出来ない、けれども役所に出て飜訳するか或は又外国奉行の宅に行て飜訳するときに、私はちゃんとソレを諳記して置て、宅に帰てからその大意を書て置く。例えば生麦の一件に就て英の公使から来たその書翰の大意は斯様々々、ソレに向て此方から斯う返辞を遣わしたと云うその大意、一切外交上往復した書翰の大意を、宅に帰ては薄葉の罫紙に書記して置た。ソレは勿論ザラに人に見せられるものでない。唯親友間の話の種にする位の事にして置たが、随分面白いものである。所が私はその書付を一日不意と焼て仕舞た。

脇屋卯三郎の切腹焼て仕舞たと云うことに就て話がある。その時に何とも云われぬ恐ろしい事が起た、と云うのは神奈川奉行組頭、今で云えば次官と云うような役で、脇屋卯三郎と云う人があった。その人は次官であるから随分身分のある人で、その人の親類が長州に在て、之に手紙を遣た所が、その手紙を不意と探偵に取られた。その手紙は普通の親類に遣る手紙であるから何でもない事で、その文句の中に、誠に穏かならぬ御時節柄で心配の事だ、どうか明君賢相が出て来て何とか始末をしなければならぬ云々と書てあった。