Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
雑記
暗殺の患は政治家の方に廻わる
身を飜して逃出したのは誠にエライ。こんな処で殺されるのは真実の犬死だから、此方も怖かったが、彼方もさぞ/\怖かったろうと思う。今その人は何処に居るやら、三十何年前若い男だから、まだ生きて居られる年だが、生きて居るなら逢うて見たい。その時の怖さ加減を互に話したら面白い事でしょう。
雑記
暗殺の患は政治家の方に廻わる凡そ私共の暗殺を恐れたのは、前に申す通り文久二、三年から明治六、七年頃までのことでしたが、世間の風潮は妙なもので、新政府の組織が次第に整頓して、随て執政者の権力も重きを成して、自から威福の行われるようになると同時に、天下の耳目は政府の一方に集り、私の不平も公衆の苦情も何も蚊もその原因を政府の当局者に帰して、之に加うるに羨望嫉妬の念を以てして、今度は政府の役人達が狙われるようになって来て、洋学者の方は大に楽になりました。喰違に岩倉公襲撃の頃からソロ/\始まって、明治十一年、大久保内務卿の暗殺以来、毎度の兇変は皆政治上の意味を含んで居るから、云わば学者の方は御留主になって、政治家の為めには誠に気の毒で万々推察しますが、私共は人に羨まれる事がないから、先ず以て今日は安心と思います。