Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
学問勉強と云うことになっては、当時世の中に緒方塾生の右に出る者はなかろうと思われるその一例を申せば、私が安政三年の三月、熱病を煩うて幸に全快に及んだが、病中は括枕で坐蒲団か何かを括って枕にして居たが、追々元の体に恢復して来た所で、只の枕をして見たいと思い、その時に私は中津の倉屋敷に兄と同居して居たので、兄の家来が一人あるその家来に、只の枕をして見たいから持て来いと云たが、枕がない、どんなに捜してもないと云うので、不図思付いた。是れまで倉屋敷に一年ばかり居たが遂ぞ枕をしたことがない、と云うのは時は何時でも構わぬ、殆んど昼夜の区別はない、日が暮れたからと云て寝ようとも思わず頻りに書を読んで居る。読書に草臥れ眠くなって来れば、机の上に突臥して眠るか、或は床の間の床側を枕にして眠るか、遂ぞ本当に蒲団を敷いて夜具を掛けて枕をして寝るなどゝ云うことは只の一度もしたことがない。その時に始めて自分で気が付て、「成程枕はない筈だ、是れまで枕をして寝たことがなかったからと始めて気が付きました。是れでも大抵趣が分りましょう。是れは私一人が別段に勉強生でも何でもない、同窓生は大抵皆そんなもので、凡そ勉強と云うことに就ては実にこの上に為ようはないと云う程に勉強して居ました。