Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「…………」

「殿様の無体の折檻、女はいう事を聴かずに死んだ――可哀想に」

平次はもう一度美女の死骸に首を垂れるのです。

「でも、西久保からここまでじゃ大変ですぜ、親分」

「ここに御下屋敷があるだろう、訊いてみな」

「な――る」

ガラッ八は横手を打つとすぐ飛出しました。目黒の与吉は、何が何やら解らない様子で、ぼんやり二人の話を聴いておりましたが、気が付くと沽券に拘わると思ったものか、

「寄るな寄るな、見せ物じゃねえ」

急に野次馬の方へ向いて精いっぱいの塩辛声を張上げます。

六

門番の左五兵衛を呼出すのに一と骨を折った上、その口を開かせるのに、老母加世は、貯えの半分を投出さなければなりませんでした。

「一と目、たった一と目、倅に逢わせて下さい。この望みが叶った上は、その場でこの私の命を取っても怨みません」

加世の歎きは深刻でした。

「それじゃこうしましょう。志賀様には御先代から並々ならぬお世話になった私です。その御恩返しのつもりで、お長屋の格子へ、今夜子刻(十二時)を合図に、内匠様にお顔だけでも出すように申しましょう」

「有難う、御恩にきます」

加世はそれを聞くと、手を合せて、門番を拝むのでした。