Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
菊太夫は菊治だとすると、だいぶ筋がはっきりします。すぐ捕まえるつもりで、八の野郎と探し廻っているうちに、たった一日違いで自滅してしまいました」
平次の話は奇怪を極めました。
「なるほど、そんな事もあるだろう。それにしても、妹に言い寄る男を一々殺すのは可怪しいではないか」
と新三郎。
「それは、お常に聴いたら解りましょう、――どうだお常坊、もう隠すまでもあるまい、みんな申上げる方が、お前のためにも、爺さんのためにもなるだろう」
「…………」
お常は黙って考え込みました。有合せの単衣を着せられて見る影もない有様ですが、何となく次第に美しさが蘇ってくるようです。
「どうだ、お常坊」
「ハイ、みんな申上げます。あれは私の兄と申しておりますが、本当は爺さんの一人ッ子で、私は養い娘だそうでございます」
「そうだろう」
と平次。
「それじゃ、お前の亭主だったのか」
と横合から、今まで黙っていた友次郎が口を出します。
「いえ、行末は一緒にしたいと爺さんが口ぐせに言っておりましたが、兄さんはなにぶんにも偏屈人で、私は恐ろしくて恐ろしくて」
お常は義理の兄の血を好む恐ろしい性格を思い出したように、ゾッと肩を竦めて身を震わせました。