Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
毀して手分て遣れば、三十人も五十人も居るから瞬く間に出来て仕舞うが、それは出来ない。けれども緒方の書生は原書の写本に慣れて妙を得て居るから、一人が原書を読むと一人は之を耳に聞て写すことが出末る。ソコデ一人は読む、一人は写すとして、写す者が少し疲れて筆が鈍て来ると直に外の者が交代して、その疲れた者は朝でも昼でも直に寝ると斯う云う仕組にして、昼夜の別なく、飯を喰う間も煙草を喫む間も休まず、一寸とも隙なしに、凡そ二夜三日の間に、エレキトルの処は申すに及ばず、図も写して読合まで出来て仕舞て、紙数は凡そ百五、六十枚もあったと思う。ソコデ出来ることなら外の処も写したいと云たが時日が許さない。マア/\是れだけでも写したのは有難いと云うばかりで、先生の話に、黒田侯はこの一冊を八十両で買取られたと聞て、貧書生等は唯驚くのみ。固より自分に買うと云う野心も起りはしない。愈よ今夕、侯の御出立と定まり、私共はその原書を撫くり廻し誠に親に暇乞をするように別を惜んで還したことがございました。夫れから後は塾中にエレキトルの説が全く面目を新にして、当時の日本国中最上の点に達して居たと申して憚りません。