Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
例えば井戸に物が墜ちたと云えば、如何云う塩梅にして之を揚げるとか、箪笥の錠が明かぬと云えば、釘の尖などを色々に抂げて遂に見事に之を明けるとか云う工風をして面白がって居る。又た障子を張ることも器用で、自家の障子は勿論、親類へ雇われて張りに行くこともある。兎に角に何をするにも手先が器用でマメだから、自分にも面白かったのでしょう。ソレカラ段々年を取るに従て仕事も多くなって、固より貧士族のことであるから、自分で色々工風して、下駄の鼻緒もたてれば雪駄の剥れたのも縫うと云うことは私の引受けで、自分のばかりでない、母のものも兄弟のものも繕うて遣る。或は畳針を買て来て畳の表を附け替え、又或は竹を割って桶の箍を入れるような事から、その外、戸の破れ屋根の漏りを繕うまで当前の仕事で、皆私が一人でして居ました。ソレカラ進んで本当の内職を始めて、下駄を拵えたこともあれば、刀剣の細工をしたこともある。刀の身を磨ぐことは知らぬが、鞘を塗り柄を巻き、その外、金物の細工は田舎ながらドウヤラコウヤラ形だけは出来る。今でも私の塗た虫喰塗りの脇差の鞘が宅に一本あるが、随分不器用なものです。