Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
政府の御用と云えば、何品を買うにも御用だ。酒や魚を買うにも自分で勝手な値を付けて買て居るではないか、上総房州から船が這入ると、幕府の御用だと云て一番先にその魚を只持て行くようなことをして居る。ソレも将軍様が喰うならばマア宜いとするが、爾うではない、料理人とか云うような奴が只取て来て、その魚を又売て居るではないか。この一事推して他を知るべし、実に鼻持のならぬ政府だ。ソレも宜いとして置て、この攘夷はドウだ。自分がその局に当て居るから拠ろなく渋々開国論を唱えて居ながら、その実を叩いて見ると攘夷論の張本だ。彼の品川の海鼠台場、マダあれでも足りないと云て拵え掛けて居るではないか。夫れから又勝麟太郎が兵庫に行て、七輪見たような丸い白い台場を築くなんて何だ。攘夷の用意をするのではないか。そんな政府なら叩き潰して仕舞うが宜いじゃないかと云うと、尺振八が、爾うだ、その通りに違いない。けれども斯うして船に乗て亜米利加に往来するのも、幕府から入用を出して居ればこそだ。御同前に喰て居るものも着て居るものも幕府の物ではないか。夫れを衣食して居ながら、ソレを潰すと云うのは何だか少し気に済まないようではないか。