Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
コリャ何だと聞て見れば、亜米利加に輸出する品だと云う。夫れから私が不図した出来心で、この品を一目見渡して私の欲しいものは一品でもない、皆不用品だが、又入用と云えば一品も残さず皆入用だ、兎に角に之を亜米利加に積出して幾らの金になれば宜いのかソレは知らぬけれども、売ると云えば皆買うが如何だ、買たからと云てソレを又儲けて売ろうと云うのではない、家に仕舞込んで置くのだと云うと、その主人も唯の素町人でない、成程爾うだな、コリャ名古屋から来た物であるが、亜米利加に遣て仕舞えば是れ丈けの品がなくなる、お前さんの処に遣れば失くならずにあるから売りましょう、ソンなら皆買うと云て、二千二、三百円かで、何百品あるか碌に品も見ないで皆買て仕舞たが、夫れから私がその品を見て楽むではなし、品柄も能く知らず数も覚えず、唯邪魔になるばかりだから、五、六年前の事でした、九人の小供に分けて取て仕舞えと申して、小供がワイ/\寄て、その品を九に分けて、ソレを籤で取て、今では皆小供が銘々に引受けて、家を持て居る者は家に持て行く者もあり、マダ私のところの土蔵の中に入れてあるのもある、と云うのが凡そ私の財産分配法で、如何にもその子に厚薄と云うものは一寸ともないのですから、小供の中に不平があろうたッて有られた訳けのものでないと思て居ます。