Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lesen Sie 福翁自伝 (ふくおうじでん) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.912 Zeichen · 402 Bildschirme
これをこの儘にして置ては迚も始末が付かぬから、何でも片付けなければならぬ。如何しよう。外に仕方がない。何でも売るのだ。一切万物売るより外なしと考えて、聊か頼みがあると云うのは、私の父は学者であったから、藩中では中々蔵書を持て居る。凡そ冊数にして千五百冊ばかりもあって、中には随分世間に類の少ない本もある。例えば私の名を諭吉と云うその諭の字は天保五年十二月十二日の夜、私が誕生したその日に、父が多年所望して居た明律の上諭条例と云う全部六、七十冊ばかりの唐本を買取て、大造喜んで居る処に、その夜男子が出生して重ね/″\の喜びと云う所から、その上諭の諭の字を取て私の名にしたと母から聞いた事がある位で、随分珍らしい漢書があったけれども、母と相談の上、蔵書を始め一切の物を売却しようと云うことになって、先ず手近な物から売れるだけ売ろうと云うので、軸物のような物から売り始めて、目ぼしい物を申せば頼山陽の半切の掛物を金二分に売り、大雅堂の柳下人物の掛物を二両二分、徂徠の書、東涯の書もあったが、誠に値がない、見るに足らぬ。その他はごた/\した雑物ばかり。覚えて居るのは大雅堂と山陽。