후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
朝飯後、天幕の諸君に別れて帰路に就く。成程ニオトマムは山静に水清く、関翁が斗満を去って此処に住みたく思うて居らるゝも尤である。然し余等は無人境のホンの入口まで来たばかり、せめてキトウス山見ゆるあたりまで行かずに此まゝ帰って了うのは、甚遺憾多かった。
帰路余は少し一行に後れて、林中にサビタのステッキを伐った。足音がするのでふっと見ると、向うの径をアイヌが三人歩いて来る。真先が彼留吉、中にお花さんが甲斐しく子を負って、最後に彼ヤイコクがアツシを着、藤蔓で編んだ沓を穿き、マキリを佩いて、大股に歩いて来る。余は木蔭から瞬きもせず其行進を眺めた。秋寂びた深林の背景に、何と云う好調和であろう。彼等アイヌは亡び行く種族と看做されて居る。然し此森林に於て、彼等は正に主である。眼鏡やリボンの我等は畢竟新参の侵入者に過ぎぬ。余は殊に彼ヤイコクが五束もある鬚髯蓬々として胸に垂れ、素盞雄尊を見る様な六尺ゆたかな堂々雄偉の骨格と悲壮沈欝な其眼光を熟視した時、優勝者と名のある掠奪者が大なる敗者に対して感ずる一種の恐怖を感ぜざるを得なかった。関翁が曾て云われた、山中で山葡萄などちぎると猿に対して気の毒に思う、と。