후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
私共が村入りの二月目に下曾根さんは来て、信者仲間の歓迎会には私共も共々お客として招かれたのでありました。私共に代って貧乏籤をひいてくれた下曾根さんは、十七年間会堂裏に自炊生活をつづけました。下曾根さんは独身で、身よりも少なく、淋しい人でした。寄る年と共にますます耳は遠くなり、貧乏教会の牧師で自身の貯金も使い果した後は、随分惨な生活でした。私は個人的に少許の出金を気まぐれに続けたばかりで、会堂には一切手も足も出しませんでした。下曾根さんは貧しい羊の群を忠実に牧して、よく職務を尽しました。砲術家の出だけに明晰な頭脳の持主でしたが、趣味があって、書道を嗜み、俳句を作り、水彩画をかいたり、園芸を楽しんだり、色々に趣味をもって自ら慰めて居りました。乏しい中から村の出金、教会としての中央への義務寄金も心ばかりはしました。亡くなる前には、自身の履歴、形見分けの目録、後の処分の事まで明細に書き遺し、洗うが如き貧しさの中から葬式万端の費用を払うて余剰ある程の貯蓄をして置いた事が後で分かりました。信仰ある、而して流石に武士の子らしい嗜です。下曾根さんは私共の東隣の墓地に葬られました。