후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(三)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 312,452자 · 628화면
それに、御車は捨ててもうないので、帝は裸足のままお歩きになるしかなかった。馴れないお徒歩なので、たちまち足の皮膚はやぶれて血をにじませ、見るだに傷々しいお姿である。
「もう少しのご辛抱です。……もうしばらく行けば部落があるかと思われますから」
楊奉は、お手を扶けながら、しきりと帝を励ましていたが、そのうちに後ろにいた李楽が、
「あっ、いけねえ! 対う岸の敵の奴らも漁船を引っぱりだして乗りこんで来るっ。ぐずぐずしていると追いつかれるぞ」と、例によって、野卑なことばで急きたてた。
楊奉は帝の側を去って、
「あれに一軒、土民の家が見えました。しばらく、これにてお待ちください」と、馳けて行った。
間もなく、彼は、彼方の農家から一輛の牛車を引っ張って来た。
もとより耕農に使うひどいガタ車であったが、莚を敷いて帝と皇后の御座をしつらえ、それにお乗せして、
「さあ、急ごう」と、楊奉が手綱をひいた。
李楽は、細竹をひろって、
「馳けろっ、馳けろっ」と、牛の尻を打ちつづけた。
車上の御座は、大浪の上にあるようにグワラグワラ揺れた。――灯ともる頃、ようやく、大陽という部落までたどりついて、農家の小屋を借り、帝の御駐輦所とした。