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にっき

日記

宮本 百合子

14 一九二八年(昭和三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页

青空文庫

一月十二日

一月十三日

気が遠くなるようになって、床の上に倒れ、はきたくなって泡をふいた。ピリニャークの私に示す感情も歪んで居るし、Yの私に示す感情も歪んで居る。本ものではない。変な人生。憂鬱であった。憂鬱だ。自分のこの頃の心持、モスクワにあるもの、人々との話に心が向って居るときは晴れやかだが、自分達二人の間に心が向くと何だか滅入る。楽しくない。

一月十二日(木曜)暖

部屋を見に十二時頃ゆくつもりのところ眠りすぎて出かけられず。電話をかけたら明日来いとのこと。それでも出かけ、女の人に会ったが忙しくて駄目。下で一寸話し、ずっとブルバール〔並木道〕を歩いてプーシュキン広場に出た。Yの眼鏡をとり、いつもの家で食事をし、八時頃かえる。

桜木春江来。光子という友達と。春江さん笑子より少しプロファウンドな性格だ。「十六夜日記」を翻訳して居る由。十時すぎかえる。入浴。

夜、林町と、山本実彦とに手紙をかく。本を送って貰うことについてなり。

一月十三日(金曜)暖

今日も暖く往来すべって歩き難いこと夥し。ВОКСへ行く。N、部屋のこと、二百留は一人についてのことだからと云う。それでは困るから、いくらで置いて貰えるのか。