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にっき
日記
宮本 百合子
14 一九二八年(昭和三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页
九月七日
зал〔ホール〕には大理石にザコン〔法律〕を刻みつけたものがある。二枚(大)。
レーニンの居た室、もとの洗面室、そのウムイヴァリニクを掃拭する召使の居た室に夫婦で居た。
寝台に布団なし、着のみきのままでその上で眠った。ひどい一の衣類棚、机、赤い粗末な布張のソファー一つ、椅子二つ三つ。
○マリア・ドミトリエヴナのところへ行く。病夫、実に清らかな感じの人で、眼でも皮膚でも、蒼白い皮膚の上の髯の柔かき黒さも、古いラシャの dressing gown を着て、その襟は赤い。袖口も赤い。美しかった。もう恢復せぬ病人の清き美しさ。
九月七日(金曜)
おそく目をさます。デートスコエへ行く筈のところ雨故のばして、池田さんの見舞に行く。ネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)(大か小か分らないが)の景色でなかなか面白いところあり、(雨でけむって、少し淋しいところ)病院、大きな、ひろやかな、明るいところだ。
○池田さん死ぬまい。
○かえりにニェフスキーで茶をのんで、キノ「明るい町」を見た。ちょいちょい無駄あり、二重写しにするところ、夜のスケート場を、光線の遊戯で一寸よくやったのに雪の面のスケートの跡を見せたところなど。